セカンドキャリアや有意義な人生を応援するメディア「みんなの複業カレッジ」編集部です。今回のテーマは「定年後のお金と過ごし方」。定年退職を控えた皆さん、こんなことを考えていませんか?「長い人生、定年後の過ごし方はどうしよう」「子どもの自立後、新たな生きがいや役割を持ちたい」「お金は足りるだろうか」「定年はまだ先だけど将来が不安」……。この記事では、定年後のお金、過ごし方、そして働き方について解説。不安を解消し、人生の選択肢を増やす方法を学びましょう。
定年後のお金の不安は、知ることで解消できる
人生100年時代と言われますが、自分はあとどれくらい生きると思いますか? 2020年に日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えており、2040年の平均寿命は男性で83.27歳、女性で89.63歳と、厚生労働省は推計しています。
寿命が延びると必要なお金の総額は増えますが、2022年度の公的年金支給額は前年度比0.4%引き下げと2年連続で減額。定年後のお金は足りるのか。漠然とした不安を解消するために、まず「自分はいくら必要で、いくらもらえるのか」、収支を試算してみましょう。
将来もらえる年金額については「ねんきんネット」や「公的年金シミュレーター」で試算できます。全国銀行協会によると、夫婦2人の必要額の目安は総額2,500万円、毎月23.7万円で、毎月3.3万円の赤字になるそうです。単身の場合は老後資金が月2.7万不足。
毎年行われているこの調査、ここ10年間は赤字額が3万〜6万円台で推移。もし、世帯収入が公的年金だけの場合、毎月の5万円の不足分を老後30年間補うとすれば、計1,800万円が必要となります。
これはあくまで平均値で、実際には一人ひとりの描く理想や生活水準によって異なるため、まずは試算をしましょう。もしマイナスになるなら、いくら不足するのかを把握する必要があります。
人生でやりたいことを書き出してみよう
お金が足りる人も足りない人も、定年後を有意義に過ごしたいことでしょう。趣味、健康の維持など自分のための時間。夫婦であればパートナーと過ごす時間。移住や二拠点生活をしたい人もいるかもしれません。
のんびり悠々自適に過ごしたい人がいる一方で、「お金には余裕があっても働きたい」「高収入でなくとも何か役割がほしい」と考える人もいます。そういう人たちは、地域や社会とのつながりややりがいを求めており、「これまでの経験や知見を活かした社会貢献をしたい」と考えているのです。
さぁ、残りの人生で何をしたいですか? やりたいことを一気に書き出してみましょう。できれば100個。第二のキャリアやプライベートが混在しても構いません。例えば
・ホノルルマラソンに出たい
・フランスの美術館を巡りたい
・子どもたちや若者を支援したい
・地域のためにボランティアをしたい
・自然が溢れる地域に移住し、家庭菜園をしたい
やりたいことの優先順位をつけ、時間軸で分類してみよう
やりたいことはいくつありましたか? 平均寿命は80歳超ですが、80代で完全な健康体な人は稀有で、投薬や通院はもちろん、介助や介護を受ける場合もあるでしょう。日常生活に制限なく過ごせる「健康寿命」は男性が72歳、女性が75歳(2019年)。健康が前提となる趣味や活動は、70代前半までに実現できるような計画を立てたいところです。
もしあなたが今50歳なら、60歳までにやりたいこと、そして70歳までにやりたいことを、先ほどの「やりたいことリスト」からピックアップしてみましょう。
例)60歳までに夫婦で海外旅行をする。65歳までに2拠点生活を始める。
やりたいことも時間もたくさんある人生後半。実は定年前よりもお金がかかるかもしれませんね。やりたいことや夢を健康な間に実現するために、セカンドキャリアや社会とのつながりを得るために、おすすめしたいのが「複業」です。
なぜ定年後にむけた複業?
そもそも複業とは何か。副業と複業では意味が異なります。「副業」はメインとなる本業がある前提でおこなうサブの仕事で、月に2〜3万円ほど稼ぐイメージです。在宅ワーク・アルバイト・パートなどがあります。
一方「複業」は、副業のようにメインとサブという位置づけではなく、複数の仕事を並行して取り組む働き方です。どの仕事も本業ととらえ、月に10万〜40万円ほど稼ぐイメージです。自分で商品・サービスを作って販売する場合もあれば、業務委託として企業から仕事を引き受ける場合もあります。兼業やパラレルキャリア、パラレルワークとも呼ばれます。
年金では足りない月数万円を得る目的であれば、副業のような仕事・働き方で十分かもしれません。
一方で生活費の足しだけではなく、やりがいを得たい人や、これまでの経験やスキルを活かしたい場合は「複業」がおすすめです。
「定年後に複業なんてできるの?」と疑った人もいるでしょう。実は定年後こそ、20代30代とは違った複業を実現できる可能性があるのです。
定年を迎える方は、これまでの経験値や築いた人間関係があるからこそ、複業を通じて自分ビジネスを作ることもできる場合があります。定年といっても、60歳を迎える前に役職定年もありますし、早期退職もあります。
・定年後の複業の事例
55歳まで東京の大企業で働いていたTさんの場合
定年後に地方に移住し、地方自治体の副市長補佐として、地域の課題解決に携わっています(雇用形態は年契約)
・定年前でも複業する人も
50歳まで会社員で働いていたMさんの場合
会社員から業務委託に契約を切り替えて、仕事量を減らし、2拠点生活をしています
キャリアのあり方であり、ライフスタイルでもある「複業」。セカンドキャリア実現のために、複業を取り込んでもいいかもしれません。
「そんな大した経験やスキルなんてないよ…」と思った方。会社員としてお給料をもらっていたということは、必ず価値をつくっています。あなたがあたりまえにやっていたことを求めている人や会社があるはずです。複業を始めたいとなったら、最初にやるのがキャリアの棚卸しです。まずは、今までの仕事の棚卸しをしてみませんか?思わぬ発見があるかもしれません。
みんなの複業カレッジでは、皆さまの複業を実現するためのコンテンツをお届けしていきます。